共感こそが人を動かす!イギリスのCMに込められた「言葉の力」とは
言葉って面白いですよね。
言い方ひとつで人を怒らすこともできるし、笑わせることもできる。
「人は見た目が9割」とは、コミュニケーションにおける言葉以外のノンバーバルな部分の重要性を表した言葉ですが、言うまでもなく、発する言葉も重要すぎるほどに重要です。
特に、デジタル機器を使ったコミュニケーションや看板など、人の表情を伝えられないメディアの場合、言葉がメッセージの100%を担うことになります。
だからこそ、現代はこれまでよりも言葉の重要性が増した時代だと思います。
言葉の力を端的に表したCMがあります。
街中でひとり、初老の男性が座り込んでいます。
I’M BLIND.PLEASE HELP
(私は目が見えません。どうかお恵みを)
というメッセージボードを掲げているところを見ると、彼はどうやら盲目の物乞いのようです。
街を歩く多くの人たちは彼の前を素通りしていきます。
そんな中、ひとりの女性が彼の前を通りかかり、メッセージを書き換えてしまいました。
その瞬間、街中を歩く人の多くが彼の前で立ち止まり、施しを与えていきます。
不思議に思った盲目の男性は、再び訪れた女性に問いかけました。
「看板に何をしたんだい?」
「同じことを書いただけよ。ただ、違った言葉を書いたの」
メッセージは次のように書き換えられていました。
「IT’S A BEAUTIFUL DAY AND I CAN’T SEE IT.」
(今日もいい日ですね。だけど、僕にはそれが見えないんだ)
あなたはどのように感じたでしょうか。最初に書いていたことと内容は一緒ですよね。伝えたいメッセージは、「目が見えません。どうかお恵みを」ということです。
それが「今日もいい日だけど、それが見えないんだ」とした瞬間から、たくさんの人たちが彼の前に立ち止まっていく。
これはもちろんコマーシャル上の演出ですが、言葉の力を理解するのには十分すぎるほどによくできています。
伝えたい内容をどういう言葉で伝えるのか。
言いたいことはそのまま書けばいいわけではありません。メッセージをしっかりと相手に伝えるためには、相手に共感してもらうための伝え方が必要だということです。