感情と身体はつながっている。怒りは喉に、愛情は体全体に影響を与えることが判明
今回は、「感情と身体の関係」が明らかとなった実験をご紹介します。
フィンランド人と台湾人の773名が被験者となり、「恐怖や幸福感などの各感情は、身体のどの部分に影響するのか」というテーマで実験が行われました。
被験者には単語や映画、表情などを見せます。感情の変化があった際に感覚が高まった身体の箇所が色で記録されます。
感覚が高まっている箇所は「赤色」、さらに高まると「黄色」
感覚が鈍っている箇所は「青色」で示されます。
実験結果はこちらの画像です。
「幸福」は身体全体で感じているのが興味深いですね。「嫌悪感」は顔の下、喉まわりです。
私が最も面白いと思ったのが、「怒り」の感情は胸に影響することです。怒りを感じると胸がしめつけられる感覚があったのでとても納得がいきました。
また、「憂鬱」な感情は身体全体の感覚を低下させていることも多くの人が実感できるのではないでしょうか。「憂鬱」になるとどうしてもやる気がでないですし、気持ちそのものがどんよりしてしまいます。そのことが実験結果でも明らかになっているんです。
こうしてみると、前向きになることの大切さがよくわかりますよね。落ち込んでばかりいると、健康にも影響を与えてしまいそうです。
「顔色をうかがう」「まゆをひそめる」「開いた口が塞がらない」「肩の荷が下りる」
日本語には身体の部位を使って感情を表現する言葉がたくさんあります。ホッとしたときには、なんとなく身体が軽くなって本当に「肩の荷が下りる」ような感じがするから不思議です。
人間は古来から、身体と感情を結びつけて考えていたことがこうした言葉の使い方からも分かります。
そうした「なんとなく感じていたこと」が、科学の力を使って可視化されたことはとても興味深いと思いませんか?